中古車を買ってすぐ故障したら|返品できるか、確かめることと相談先

中古車を買ってすぐ故障したときは、修理を頼む前に販売店へ連絡し、保証書と注文書(契約書)を手元にそろえることから始めます。保証の対象なら無償で直してもらえ、保証がない車や保証の対象外の故障でも、民法の契約不適合責任にもとづいて販売店に修理を求められる場合があります。一方、「買ってすぐなので返品したい」という希望には、クーリングオフは使えません。この記事では、買ってすぐ故障したときに確かめる書類と手順、返品が認められる場合、国民生活センターと自動車公正取引協議会の相談窓口、そして連絡を受けた販売店がとるべき対応を、法令と公的機関の資料で確かめながらまとめます。

この記事で確認した一次情報

中古車を買ってすぐ故障したときに最初にすること

中古車を買ってすぐ故障したら、最初にするのは「自分で修理工場に出さずに、買った販売店へ連絡すること」です。保証付きの車なら、保証書に書かれた連絡先に修理の前に連絡するのが決まりで、連絡せずに直すと保証が使えなくなる商品があります。たとえばカーセンサーアフター保証の公式ページは、保証事務局に連絡する前に修理した場合、故障が保証範囲でも保証は適用されないと書いています。保証がない車でも、販売店に知らせないまま他の工場で直すと、どんな不具合だったかを後から確かめられなくなります。連絡のときは、いつ、どこを走っていて、どんな症状が出たか(警告灯、異音、においなど)を伝え、メーターの距離と警告灯は写真に残しておきます。走行できない状態ならロードサービスを呼びますが、保証にロードサービスが付いていれば保証書の窓口から手配できます。

  1. 1. 安全な場所に止める

    警告灯が点いたまま、異音がするまま走り続けると、故障が広がることがあります。

  2. 2. 症状を記録する

    日時、走行距離、症状、警告灯の写真を残します。後で販売店や保証会社に説明するときの材料になります。

  3. 3. 保証書の窓口か販売店に連絡する

    修理を始める前に連絡します。保証会社の保証は、事前の連絡と見積もりのあとに保証判定をする流れが一般的です。

  4. 4. 保証書と注文書を手元にそろえる

    保証の有無、期間、対象部位、注文書の特記事項を確かめます。次の節で見る項目です。

買ってすぐ故障したときに確かめる保証書と契約書

買ってすぐの故障で販売店に何を求められるかは、保証書と注文書(契約書)の中身で決まります。国民生活センターのリーフレット(2022年3月発行、自動車公正取引協議会が作成に協力)は、納車後の不具合について、保証がある場合はその不具合が保証の対象なら無償修理、対象外なら保証がない場合と同じ扱いになると説明しています。保証書で見るのは、保証者(誰が修理費を負担するか)、保証期間と走行距離、保証の対象となる部位、修理の前に連絡する窓口の4つです。注文書では、特記事項に書かれた不具合の説明、「現状販売」「保証なし」の記載、キャンセルについての条項を確かめます。書かれていた不具合は承知して買ったものとされやすく、書かれていない不具合は販売店に説明を求める根拠になります。口頭で「保証付き」と言われただけでも、自動車公正取引協議会の相談Q&A(Q3)は保証付きに変わりはないとしています。

書類 確かめる項目 分かること
保証書 保証者、保証期間と走行距離、対象部位、連絡先 無償修理になるか、どこに連絡するか
注文書(契約書) 特記事項の不具合、保証の有無、現状販売の記載 事前に説明された不具合かどうか
メンテナンスノート(保証書と点検整備記録簿) 新車登録日、点検の記録 メーカー保証の期間が残っているか
広告、プライスボードの写し 保証の有無、走行距離、修復歴の表示 表示と実際の車が違っていないか

新車登録から間もない車なら、メーカー保証が残っているかもしれません。手続きは中古車の保証継承とは、期間の目安はメーカー保証の期間で確かめてください。

保証なしで買ってすぐ故障した場合の契約不適合責任

保証がない車や保証の対象外の故障でも、販売店に修理を求められる場合があります。根拠は民法の契約不適合責任で、第562条は、引き渡された車が品質などの点で契約の内容に適合しないとき、買主が修補などを請求できると定めています。国民生活センターのリーフレットは、通常の使用損耗とはいえない不具合で、契約時に説明を受けていなかったものは、販売店に無償修理を求められると案内しています。自動車公正取引協議会の相談Q&A(Q1、Q2)も、現状販売で買った車の納車直後のエンジン故障について、販売店が故障を知らなかった場合でも無償修理を求められると回答しています。反対に、自然な劣化による不具合は修理が自己負担になります。民法第566条により、不具合を知った時から1年以内に販売店へ通知する必要があるので、話し合いが長引きそうなときは、通知した日と内容を書面やメールで残しておきます。

故障の状況 販売店に求められること 根拠
保証の対象部位の故障 保証書にもとづく無償修理 保証書、自動車公正取引協議会 Q3
保証の対象外で、通常の使用損耗といえず説明もなかった不具合 無償修理(履行の追完)、代金の減額 民法第562条、第563条
修理できない、または車検に合格する状態にならない 契約の解除、損害賠償 民法第564条、国民生活センターのリーフレット
年式や走行距離から当然予想される劣化 原則として自己負担 国民生活センターのリーフレット

「保証なし」や「ノークレームノーリターン」の記載がある場合の扱いは、ノークレームノーリターンとはと中古車の契約不適合責任と保証の関係で詳しく解説しています。

買ってすぐ故障した中古車の返品とクーリングオフ

買ってすぐ故障した中古車を返品できるのは、修理ができない場合や、販売店が修理に応じず公道を安全に走れない状態の場合など、契約の解除が認められるときです。国民生活センターのリーフレットは、修理が不可能な場合や、販売店が修理をせず車検に合格する状態でない場合に契約の解除を求められると説明しています。一方、理由を問わずに契約をやめられるクーリングオフは使えません。店頭で買った契約にはクーリングオフの制度そのものがなく、訪問販売や電話勧誘販売でも、特定商取引法第26条第4項と施行令第14条により自動車(二輪を除く)はクーリングオフの規定の適用から外されています。ネットで買う通信販売は、特定商取引法第15条の3の返品の規定がありますが、広告に返品の特約が表示されていればそれに従います。メーター改ざん車や、修復歴「無」と表示された修復歴車は、錯誤を理由にキャンセルを求められます(自動車公正取引協議会 Q4、Q6)。

中古車の契約とクーリングオフの関係、注文書のキャンセル条項の読み方は、日本カーネットの姉妹サイトの中古車のクーリングオフで詳しく扱っています。

中古車の故障トラブルの相談先(国民生活センター・自動車公正取引協議会)

販売店との話し合いがまとまらないときの公的な相談先は、消費生活センターと自動車公正取引協議会の消費者相談室の2つです。消費生活センターには、消費者庁の消費者ホットライン「188」に電話すると、郵便番号などの入力で近くの市区町村や都道府県の窓口につながります。相談は無料で、通話料はかかります。国民生活センターは、全国の消費生活センターと連携している独立行政法人です。自動車公正取引協議会の消費者相談室は、クルマとバイクの購入に関する相談を電話(03-5511-2115、平日10時から12時と13時から16時)で受け付けています。ただし、同協議会は相手方との交渉やあっせんは行わず、対応方法や法的な考え方をアドバイスする窓口です。どちらに電話するときも、保証書、注文書、症状の記録、販売店とのやり取りの日時を手元に用意すると話が早く進みます。

相談先 連絡方法 できること
消費生活センター(消費者ホットライン) 電話 188 身近な消費生活センターの案内、相談員による助言
自動車公正取引協議会 消費者相談室 電話 03-5511-2115(平日10時から12時、13時から16時) 対応方法や法的な考え方の助言。交渉、あっせんは行わない
保証会社の保証事務局 保証書に書かれた電話番号 保証の対象かどうかの判定、修理工場の案内

買ってすぐ故障の連絡を受けた販売店の対応手順

お客様から「買ってすぐ故障した」と連絡を受けた販売店は、まず受付の記録を残し、保証書と注文書を確かめてから、修理の手配と費用負担の判断に進みます。最初の対応で「現状販売だから」と断ると、契約不適合責任の話になったときに販売店の立場が弱くなります。自動車公正取引協議会の相談Q&A(Q2)は、販売店が故障を知らなかった場合も責任を免れないとしています。保証会社の保証を付けて売った車なら、お客様には保証書の窓口に連絡するよう案内し、先に修理を始めないよう伝えます。保証の対象外の故障は、原因を診断し、通常の使用損耗か、販売時から存在していた不具合かを見極めます。判断の結果と根拠は口頭だけでなく書面かメールで伝え、お客様に連絡した日を残しておくと、民法第566条の1年の期間の確認にも役立ちます。

  1. 1. 受付の記録

    連絡を受けた日時、症状、走行距離、車の場所を記録します。走れない状態ならロードサービスを手配します。

  2. 2. 保証と契約の確認

    保証書の有無と内容、注文書の特記事項に書いた不具合を確かめます。

  3. 3. 保証会社への連絡

    保証会社の保証が付いている車は、保証事務局の判定を先に受けます。事前の連絡なしに修理すると対象外になる商品が多くあります。

  4. 4. 原因の診断と負担の判断

    保証の対象外なら、販売時から存在した不具合か、通常の使用損耗かを診断して、修理費の負担を決めます。

  5. 5. 書面での回答

    判断と根拠、修理の内容と費用を書面かメールで伝えます。後の行き違いを防げます。

納車後の故障の相談を減らすには、販売の段階で保証を選べるようにしておくことが効きます。対応の流れは中古車販売のトラブル・クレームを保証で防ぐ方法、保証修理を受ける工場側の流れは整備工場が保証修理を受けるにはで解説しています。

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中古車を買ってすぐ故障したときのよくある質問

中古車を買って1週間で故障しました。返品できますか?
故障しただけでは返品(契約の解除)は認められにくく、まず修理を求めるのが基本です。国民生活センターのリーフレットは、修理が不可能な場合や、販売店が修理をせず車検に合格する状態でない場合に契約の解除を求められると説明しています。クーリングオフは自動車の購入には使えません。
保証なしで買った中古車がすぐ故障しました。修理代は自己負担ですか?
通常の使用損耗とはいえない不具合で、契約時に説明を受けていなかったものなら、販売店に無償修理を求められる場合があります(民法第562条、国民生活センターのリーフレット)。年式や走行距離から当然予想される劣化なら自己負担です。不具合を知ってから1年以内に販売店へ通知してください。
販売店に連絡せず、近くの工場で直してしまいました。費用を請求できますか?
保証会社の保証は、事前の連絡なしに修理すると対象外になる商品が多く、請求できない可能性が高くなります。保証がない場合も、どんな不具合だったかを販売店が確かめられないため、話し合いが難しくなります。交換した部品と修理明細は捨てずに保管し、販売店に相談してください。
販売店が対応してくれないときはどこに相談すればよいですか?
消費者ホットライン「188」で近くの消費生活センターにつながります。自動車公正取引協議会の消費者相談室(03-5511-2115、平日10時から12時と13時から16時)でも、対応方法や法的な考え方の助言を受けられます。同協議会は販売店との交渉やあっせんは行いません。
ネットで買った中古車も同じ扱いですか?
修理や契約の解除を求められる民法のルールは同じです。返品については、特定商取引法第15条の3に通信販売の規定がありますが、広告に返品の特約が表示されていればその特約に従います。注文前に返品とキャンセルの条件を確かめてください。

参考にした一次情報

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月24日確認)。条文はe-Gov法令検索の現行法令によります。

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